アクセス解析に基づくBtoB事例一覧の情報設計・UI改善

要点

  • GA4・Clarityを用いて事例一覧でのユーザー行動を分析
  • 「自社に近い事例を探しやすい」情報設計・UIへ再構築
  • 改修後もアクセス解析を行い、改善効果と次の計測課題まで検証
担当領域
実装・CMS構築
期間
2025年8月~10月

案件背景

BtoB向けコーポレートサイトの導入事例一覧について、GA4・Microsoft Clarityを用いてユーザー行動を分析。
一覧には多数の事例が掲載されていましたが、全件表示による閲覧負荷や、ユーザーが自社に近い事例を探しにくい情報設計などに課題がありました。
そこで、「自社に近い事例を探したい」というユーザーの行動を起点に、一覧構成・カードUI・絞り込み検索・ページネーションを再設計。改善提案からWordPressでの実装、その後の効果検証まで一貫して担当しました。

課題

  • 多数の事例が一覧表示され、情報探索の負荷が高かった
  • 自社に近い事例を探すための検索・絞り込み導線が十分整理されていなかった
  • 一覧UIの改善が実際のユーザー行動にどう影響したか検証できていなかった
  • 詳細ページへの遷移やCVまで評価するための計測が不足していた

やったこと

  • GA4・Microsoft Clarityによるユーザー行動分析
  • ユーザー行動をもとにした改善仮説の立案
  • 事例一覧の情報設計・カードUIの見直し
  • 絞り込み検索・条件別件数表示の改善
  • 検索条件をURLパラメータとして保持する仕様の整理
  • WordPressでのページネーション実装
  • 改修前後56日間ずつのデータを用いた効果検証
  • 検証結果をもとに次の計測要件を整理

実現したこと

  • 一覧ページの平均スクロール深度が36.31%から47.08%へ改善
  • エンゲージメント率が85.0%から88.6%へ改善
  • デッドクリック率が2.9%から1.8%へ低下
  • UI改善だけで終わらず、詳細遷移・CVまで検証するための次の計測課題を特定

設計のポイント

ユーザー行動から課題を特定

GA4とClarityを活用し、事例ページ内の離脱ポイントや回遊状況を分析。感覚ではなくデータをもとに改善方針を策定しました。

「たくさん見せる」より「探しやすくする」

事例数が増えるほど、単純に一覧へ並べるだけではユーザーが目的の情報を見つけにくくなります。
そこで表示件数を抑えるだけではなく、絞り込み条件、件数表示、カードUI、ページネーションを一体として整理し、「自分に近い事例を探せる」ことを優先して設計しました。

よくなったこと

改修前後でセッション数はほぼ横ばいでしたが、エンゲージメント率は85.0%から88.6%、平均スクロール深度は36.31%から47.08%へ改善。デッドクリック率も2.9%から1.8%へ低下しました。
流入量そのものが大きく変わっていない中で閲覧行動に改善が見られたことから、一覧の見やすさやクリック可能箇所の分かりやすさについては、改善施策が一定の効果を持ったと評価しています。
一方、PV/セッションは1.83から1.49へ低下しました。これは「少ない操作で目的の事例へ到達できるようになった」可能性と、「複数事例を比較する回遊が減った」可能性の両方があります。
現行の計測では事例カードのクリックを直接取得していなかったため、ここは成果として断定せず、次の改善としてカードクリック・絞り込み・ページネーション・CVまでを追跡できる計測設計へつなげています。

補足

  • エンゲージメント率:85.0% → 88.6%
  • 平均スクロール深度:36.31% → 47.08%
  • デッドクリック率:2.9% → 1.8%
  • セッション数:1,898 → 1,853(ほぼ横ばい)
  • PV/セッション:1.83 → 1.49
  • 改修前後56日間で比較

Mimu Fujiwara

フリーランスのテクニカルPM/Webディレクター。 Webサイトのリニューアルや改善の相談を受ける中で、「本当に解決したいこと」と「依頼内容」が少しずれている場面によく出会います。 依頼されたものをそのまま作る前に、目的や課題、運用状況を整理し、「何を作るべきか」から一緒に考える立場で関わっています。 WordPressやHubSpotなどのCMS案件を中心に、要件整理・情報設計・技術調整・運用改善までを横断して支援。公開して終わりではなく、その後も無理なく運用・改善できる状態をつくることを大切にしています。