【フリーランス体験談】「その対応、正気ですか?」“困ったエージェント担当”あるある

【フリーランス体験談】「その対応、正気ですか?」“困ったエージェント担当”あるある

フリーランスの味方…なはずが、逆にストレス源に?

フリーランスにとってエージェントは、案件を獲得するうえでの重要なパートナーだ。契約条件の調整、面談の設定、フィードバックの共有など、やるべきことを代わりに進めてくれる存在として、本来は心強いはずである。

しかし現実には、対応に問題のあるエージェント担当者も存在する。返信がない、希望に合わない案件ばかり送ってくる、情報共有が不十分など、こちらの時間と労力を奪うようなやり取りに振り回されることもしばしば。

フリーランスが遭遇しがちな“困ったエージェント担当”のあるある事例を紹介しつつ、背景や対処法について考えていく。

目次

よくある“横柄なエージェント担当”の事例

返信無し・スルーされる

こちらから送ったメッセージに何日も返信がない。それどころか、まるで最初から存在しなかったかのように、次の連絡では新しい依頼だけが届く。過去のやり取りには一切触れず、まるで一方的な配信サービスのような扱いだ。

そして最も腹立たしいのは、そうした無視が続いていたにも関わらず、急に「お返事をいただけますか?」と催促されるときである。こちらとしては「先に返信してないのはそっちでは?」という感情しか湧かない。

単なる見落としならまだしも、こうした状況が繰り返されるようであれば、もはや信頼関係を築くのは難しい。

希望条件をまったく聞いていない

希望条件を明確に伝えているにもかかわらず、まったく違う案件を紹介されることもある。たとえば「週3以内・フルリモート・新規開発」を希望しているのに、「週5出社・運用保守・常駐あり」の案件が送られてくる。

しかもその案件に対して「マッチしそうです!」という一言が添えられていたりすると、正直呆れてしまう。これは人材マッチングというより、ただの“数打ち”だ。

条件が合っていないと伝えても、謝罪もなく次の案件紹介が始まることも多い。以前、「希望条件とはかなり違うのですが、私のスキルで対応可能かご確認いただけますか?」と質問を送ったところ、まったく返信がなかったこともある。こちらとしては、担当者が内容を確認したのかどうかすらわからないまま、次の案件紹介が始まってしまった。

ヒアリングをしてくれた意味は何だったのか? 丁寧な対応がなければ、信頼は簡単に失われる。

ヒアリング不足で面談に放り込まれる

面談前に企業名と日時だけが共有され、業務内容や技術スタック、募集背景、面談担当者の情報が一切ないまま本番に臨まされるケースもある。

面談で聞かれる内容も準備できず、話がかみ合わないまま時間だけが過ぎていく。終わった後に「想定と違った」「もっと情報があれば対応できたのに」と後悔する。

実際に、制作案件の面談と聞いて参加したところ、蓋を開けてみれば広告運用の案件だったことがある。また、WordPressの記事更新程度の作業だと思っていた案件が、実はテーマ開発から設計・実装までを担当する内容だったということもあった。

担当者に実務経験がなく、専門用語の意味を理解できていない可能性もあるが、それにしても限度がある。結果的にミスマッチな案件に時間を費やすことになり、徒労感だけが残る。

エージェントは調整役であると同時に、情報の橋渡し役でもある。ヒアリング不足による機会損失は、フリーランスにとって直接的なダメージだ。

上から目線で接してくる

希望条件に合致する案件がないと伝えられたにもかかわらず、その理由の説明もなく、「精一杯探します」と曖昧な言葉だけを返される。そして、退会を促すわけでもなく、明確な次のステップが提示されないまま、時間だけが過ぎていく。

さらに問題なのは、「案件が少ないので、週5常駐も視野に入れませんか?」などと、こちらの希望条件のほうを変えさせようとする姿勢だ。条件を譲歩させることを前提に動いているように感じられ、不信感を覚える。

結果として、「探していないのでは?」という疑念が拭えず、信頼関係が築きにくくなっていく。

なぜこんな対応が生まれるのか?

担当者が現場を理解していない

IT系やクリエイティブ系の案件を扱っていても、担当者自身が業界未経験の場合、専門用語やスキルの重みを理解していないことがある。そのため、希望条件の重要性や、案件とのミスマッチに気づかないまま進行してしまう。

本来は調整役として、クライアントとフリーランスの両方にとって最善の提案をすべき立場。しかし、背景知識がなければ単なる“案件の送り屋”になってしまう。

ノルマ重視・数打ち体質

案件の紹介数や面談の実施数など、社内のKPI(成果指標)だけが優先されている場合、担当者は一人ひとりの希望よりも“とりあえず案件を流す”という行動に走りやすい。

この体制が続くと、長期的な信頼より短期的な成果を優先するようになり、結果としてフリーランス側の満足度が下がっていく

ストレスを減らすための対処法

担当変更を依頼する

どうしても相性が合わない、信頼できないと感じたら、遠慮なく「別の担当に変更できませんか?」と依頼していい。

無理に説明をしなくても、「コミュニケーションの相性に少し不安があるため」など、柔らかい表現で十分だ。意外にも快く対応してくれるケースが多い。

やり取りはすべて記録しておく

メールやチャットでのやり取りは、なるべく文章で残しておく。証拠としてだけでなく、自分の判断材料としても役に立つ。

特に条件交渉や納期に関する情報はスクショやログ保存しておくと、トラブル回避につながる。

複数のエージェントと付き合う

特定のエージェントに依存せず、複数のサービスを併用しておくことで、「この担当者と合わないから仕事が途切れる」という不安を避けやすくなる。

信頼できる人とだけ継続的に関わっていけるよう、選択肢は常に確保しておきたい。

信頼できるエージェント担当の特徴

  • レスポンスが早く、丁寧である
  • 希望条件にきちんと沿った案件を紹介してくれる
  • 面談前に必要な情報を的確に共有してくれる
  • 対等なビジネスパートナーとして接してくれる

こうした担当者と出会えたときは、こちらも誠実に対応していきたい。良い関係は双方の努力で成り立つものだ。

合わない相手とは、無理に付き合わなくていい

フリーランスであるということは、自分の働き方を自分で選べるということでもある。

エージェントとの関係もその一部。こちらの時間と信頼を軽んじる相手に、無理に付き合う必要はまったくない。信頼できる担当者と、良い関係を築いていくほうが、長期的に見て確実にプラスになる。

Mimu Fujiwara

フリーランスのWebデザイナー/ディレクター。 企画設計からデザイン、コーディング、WordPress構築、公開後の運用支援まで、Web制作を一貫して対応しています。 制作を“納品で終わり”にせず、運用面での継続的な改善やサポートにも力を入れています。 柔らかく親しみやすい対応を心がけながら、「相談しやすく、任せやすいパートナー」を目指して活動中です。