婚活より難しい?フリーランス案件のマッチング

婚活より難しい?フリーランス案件のマッチング

案件探しがうまくいかない時期がありました。

応募しても返事が来なかったり、話が進んだと思ったら立ち消えになったり。

そのたびに、
「自分のスキルが足りないのかな」とか、
「条件が厳しすぎるのかな」と考えてしまいます。

正直、少ししんどいな、と思う瞬間もありました。

そんなとき、ふと耳にした婚活の話が、妙に胸に引っかかりました。

ああ、これ、結構似ているな、と感じたのです。

この記事でわかること

  • フリーランス案件探しと婚活には類似点があり、成婚率やマッチング率が低い
  • フリーランス案件の成立率は5〜10%前後で、成功する人が一定数いればビジネスとして成立
  • 婚活とフリーランス案件探しでは、譲れない条件の性質が異なり、壊れるタイミングも異なる
  • 成婚率やマッチング率が低いのは環境の問題であり、個人の努力だけで片付けるべきではない
  • 自己理解と客観視のバランスが重要で、何を大事にするか、どこを譲るかを考えることが重要
  • フリーランス案件探しは難しいが、難しさの正体を理解し、自己理解と客観視を行うことで向き合い方を変えることができる

マッチング率も成婚率も、だいたい低い

婚活の成婚率は、思っているより高くありません。

リクルートブライダル総研が公表している「婚活実態調査」では、婚活サービス利用者のうち、実際に結婚に至った人の割合は一桁〜1割台にとどまることが示されています。

フリーランスの案件探しも、感覚的にはかなり近いと感じています。

フリーランス向けプラットフォームに関する海外調査では、応募から実際に仕事成立に至る割合は5〜10%前後とされるケースが多く、数を打っても大半は成立しない構造が前提になっています。

※この数値は海外プラットフォームの調査に基づくものですが、「多くの応募の中から一部しか成立しない」という構造自体は、日本の案件探しでも大きくは変わらないと感じています。

数字だけを見ると、どちらもなかなか厳しい世界だな、と感じます。

それでも、婚活サービスも、フリーランス向けのエージェントも、市場としては問題なく成立しています。

ここで、少し不思議だな、と思いました。

成功率が低くても回ってしまう仕組み

成婚率が低くても、婚活ビジネスは成り立っています。

マッチング率が低くても、フリーランス向けのサービスは回っています。

つまり、「うまくいかない人が多い」こと自体は、この仕組みの中では、あまり問題にされていないのだと思います。
成功する人が一定数いれば、ビジネスとしては成立してしまうからです。

その結果、うまくいかなかった理由が、個人の努力や姿勢にだけ向けられがちな構図が生まれます。
そこに、少し息苦しさを感じていました。

「譲れる条件」と「譲れない条件」は同じではない

婚活でも、フリーランスでも、よく聞く言葉があります。

「条件を下げたほうがいい」

たしかに、何もかも譲れない状態だと、選択肢がなくなるのも事実です。

ただ、ここで一度立ち止まって考えたいと思いました。
婚活と案件探しでは、譲ってはいけないポイントの性質が違うと感じているからです。

婚活で譲れないもの

婚活の場合、あとから効いてくるのは、価値観や信頼感、対話の感覚だったりします。

最初は問題なさそうでも、時間が経つにつれて、小さなズレが積み重なっていくことがあります。

関係が始まってから壊れてしまうケースが多いのは、このあたりに理由がある気がしています。

フリーランスで譲れないもの

一方で、フリーランスの案件は少し違います。

  • 判断権限はどこにあるのか
  • 要件定義はどの程度されているのか
  • 誰が責任を持つのか

こうした点を曖昧なまま始めてしまうと、後になってから、かなり苦しくなります。

こちらは、始まる前から地雷が埋まっていることが多いと感じています。

壊れるタイミングが違うだけ

婚活は、始まってから「やっぱり無理だった」と気付くことが多いです。

フリーランスの案件は、始まる前に見抜けなかったことで詰んでしまうことが多いです。

どちらも相性の話ですが、壊れるタイミングが違うだけなのだと思います。
だからこそ、同じ感覚で条件を調整すると、どうしてもズレが生まれてしまいます。

マッチング率が低いのは、誰の問題なのか

案件が決まらないと、どうしても自分を責めてしまいます。

でも実際には、情報が十分に開示されていなかったり、条件が整理されていなかったりすることも多いです。
それをすべて、個人の努力不足で片付けてしまうのは、少し違うのではないか、と感じています。

とはいえ、すべてを環境のせいにしても、前に進めなくなってしまいます。
このあたりのバランスが、一番難しいところです。

自己理解と客観視、どちらも重要

ここまで考えてきて、自分の中で少しずつ腑に落ちてきたのが、この2つを行き来する感覚でした。

自己理解。

  • 自分は何が苦手なのか
  • 何を大事にしたいのか
  • どこまでなら耐えられるのか

これを分かっていないと、同じ失敗を繰り返してしまいます。

でも、自己理解だけに寄りすぎると、視野が内側に閉じてしまう感じもありました。

一方で、客観視。

  • 市場的にどう見えるのか
  • 条件として現実的なのか
  • 他の人はどこで折り合っているのか

冷静さを取り戻す助けにはなります。

ただ、これだけを信じていると、「我慢すれば何とかなる」という方向に流されやすくなります。

大事なのは「どこで壊れるか」

最終的に、自分が一番意識するようになったのは、「どこまで譲れるか」よりも、「どこを譲ると壊れてしまうか」でした。

ここを越えてしまうと、仕事でも人間関係でも、長く続かないことが多かったです。

結論

婚活とフリーランス案件のマッチングを比べてみて、 強く感じたのは、 「どちらが簡単か」ではなく、 「どちらの難しさが可視化されているか」の違いでした。

婚活は、成婚率という形で難しさが数字として共有されています。だからこそ、うまくいかなかったときも、個人の問題だけとして抱え込まずに済む側面があります。

一方で、フリーランスの案件探しは、マッチング率や成約率といった数字がほとんど公開されていません。 成功の定義も人によって違い、 難しさが見えにくいまま、個人の努力や能力の問題として処理されがちです。

だからこそ、 フリーランスの案件探しは、 婚活以上にしんどく感じることがあるのかもしれません。

この世界で必要なのは、 ただ数をこなすことでも、 自分を責め続けることでもなく、

  • 自分は何を大事にしたいのか
  • どこを譲ると壊れてしまうのか
  • 今置かれている環境をどう見るか

といった、 自己理解と客観視を行き来する視点だと思っています。

婚活より難しいかもしれない。でも、難しさの正体が少し見えるだけで、向き合い方は変えられる。

今のところの結論は、そんなところです。

Mimu Fujiwara

フリーランスのWebディレクター/デザイナー。 職種にとらわれず、プロジェクトの状況に応じて「判断と整理」を担う立場で関わっています。 要件定義や情報設計を起点に、UI設計・CMS構築・運用改善まで一貫して対応。 見た目を整えることよりも、「なぜそうするのか」「どうすれば無理なく回るか」を大切にしています。 アクセス状況や利用実態などの数字も判断材料として扱いながら、制作を“納品で終わらせない”改善パートナーとして伴走しています。