実装依頼が毎回ブレるので、依頼の前段をツール化して整理してみた

実装依頼が毎回ブレるので、依頼の前段をツール化して整理してみた

はじめに|なぜこの話を書こうと思ったか

実装依頼を受けていると、「なんだか毎回どこかで話がズレるな…」と感じることがありました。

誰かが悪いというより、

  • 決まっていること
  • まだ決まっていないこと
  • 本当は判断が必要なこと

が、ひとまとめになったまま実装フェーズに入ってしまっている。

そんな構造的な問題を感じることが増えてきて、「これは個別対応で頑張る話じゃないな」と思ったのが、今回のきっかけです。

この記事では、便利なツールを作った話というよりも、なぜ実装依頼がブレやすいのかを整理して、どう考えたかを記録として残します。

この記事でわかること

  • 実装依頼がブレる原因は、設計と実装の境界が曖昧であること
  • 実装前に整理すべきポイントは、判断が必要かどうか、決まっていることは何か、デザインの範囲を明確にすること
  • 設計・調査フェーズと実装フェーズを明確に区別し、それぞれの役割を整理することが重要
  • ツール化により、実装前に迷いや確認ポイントを明確化し、実装フェーズのスムーズな進行が可能になった
  • ツールの利点は、依頼内容を共有するだけでなく、関係者が考える機会を提供し、認識を揃えやすくしたこと
  • ツールはすべての案件に適しているわけではないが、実装がブレる場面で整理することで前進できる可能性がある

実装依頼がブレるとき、何が起きているのか

実装依頼がブレる場面を振り返ってみると、だいたい次のような状態になっています。

  • 「実装してください」と言われている
  • でも実際は、設計や判断がまだ終わっていない
  • そのまま進めると、途中で認識のズレが見えてくる

特にズレやすいのが、

  • デザインはどこまで見るのか
  • 差分が出たらどうするのか
  • 誰が判断するのか

といった部分です。

これらが曖昧なまま進むと、「それは想定していなかった」「そこまでやると思っていなかった」という会話が、後から発生しがちです。

「設計」と「実装」が混ざると起きること

実装フェーズに入ってから設計の話が出てくると、どうしても調整コストが上がります。

  • すでに手を動かし始めている
  • 戻ると影響範囲が広い
  • 確認の往復が増える

結果として、スピードも品質も下がってしまうことがあります。

これはスキルの問題というより、フェーズの切り分けができていないことによる構造的な問題だと感じました。

じゃあ、何を整理すればよかったのか

考えてみると、実装前に最低限そろっていてほしいのは、次の点でした。

  • 今回の依頼は「判断が発生する」のか
  • それとも「決まっていることをそのまま形にする」のか
  • デザインは検討対象なのか、スコープ外なのか

特にデザイン周りは、判断の有無が曖昧なままだと、ズレが起きやすいポイントです。
ここを先に整理できていれば、実装フェーズでの迷いや衝突は、かなり減らせるはずだと思いました。

そこでやったこと|ツール化して分けてみた

個別に説明するのではなく、最初から考える順番を揃えられる形にしたいと思い、簡単なツールとして整理しました。

ポイントは大きく2つです。

  • 設計・調査フェーズ
  • 実装フェーズ

を分けて考えること。

設計・調査フェーズでは、

  • デザインが必要かどうか
  • 判断してほしいのか
  • 仕様固定でよいのか

といった「前提の整理」を行います。

実装フェーズでは、

  • 判断あり/なしを前提に
  • 実装内容を明確にする

という役割に限定しました。

実際に使ってみて分かったこと

タイミングよく、今回の整理が使えそうな案件があったため、実際に使用してみました。その案件は要件定義がほぼ固まっている状態だったため、設計・調査フェーズではなく、実装に入る直前の整理としてこのツールを使っています。

実装着手前の段階で、

  • 今回は判断が発生するのか
  • どこまでが仕様として確定しているのか
  • デザインはスコープに含まれるのか

といった点をあらためて言語化しました。

その結果、 「実装を進める中で迷いそうなポイント」や 「途中で確認が必要になりそうな箇所」を、 実装前に洗い出すことができました。

結果として、

  • 実装途中での確認や差し戻しが減った
  • 判断が必要な箇所を事前に共有できた

など、実装フェーズに入ってからのやり取りを比較的スムーズに進められたと感じています。

ツールを作って一番よかったこと

一番よかったのは、「依頼内容を聞く」場ではなく、「考えてもらう」場になったことです。

ツールがあることで、誰かを責めなくても、曖昧な部分だけが自然に浮かび上がります。

結果的に、

  • 実装者側も
  • 依頼する側も

無理なく認識を揃えられるようになりました。

これは万能な方法ではない

もちろん、このやり方がすべての案件に向いているわけではありません。

  • 小規模な案件
  • 単発の作業

では、少しオーバーに感じることもあると思います。

ただ、「毎回どこかでブレる」と感じている現場では、一度立ち止まって整理してみる価値はあると思っています。

おわりに 整理することで、前に進める

実装がブレる原因は、誰かの能力不足ではないことがほとんどです。
多くの場合、前提が整理されていないだけだと思っています。

今回のツールは、正解を出すためのものではなく、考える順番を揃えるためのものです。

同じような違和感を持っている方の、何かの参考になれば嬉しいです。

補足:
今回の整理を元にした社内向けの依頼ツールがあります。内容は案件や体制に応じて調整しています。

Mimu Fujiwara

フリーランスのWebデザイナー/ディレクター。 企画設計からデザイン、コーディング、WordPress構築、公開後の運用支援まで、Web制作を一貫して対応しています。 制作を“納品で終わり”にせず、運用面での継続的な改善やサポートにも力を入れています。 柔らかく親しみやすい対応を心がけながら、「相談しやすく、任せやすいパートナー」を目指して活動中です。