BtoBナレッジページにおける導線再設計・効果検証

要点

  • ナレッジコンテンツの情報設計・CTA・関連導線を再構築
  • GA4・Microsoft Clarityを用いて改修後のユーザー行動を検証
  • Organic流入の閲覧品質を維持・改善しながら、CV導線の次の改善課題を特定
担当領域
企画・要件整理

案件背景

BtoB向けコーポレートサイトのナレッジコンテンツにおいて、記事を読んだユーザーを事例・資料DL・問い合わせなど次の行動へつなげる導線が十分整理されていませんでした。
そこで「ナレッジ → 比較・検討 → CV」というユーザー行動を想定し、ナレッジTOP、記事詳細、関連事例、資料DL、問い合わせなどの役割を整理。情報設計・UI・CTAを横断して再設計しました。

リリース後はGA4・Microsoft Clarityを用いて改修前後54日間を比較し、「実装した導線が実際に機能したか」まで検証しています。

課題

  • ナレッジTOPで何を見るべきか判断しにくかった
  • ナレッジ・事例・資料DLそれぞれの役割が曖昧だった
  • 記事を読んだ後の行動導線が十分整理されていなかった
  • 関連記事・関連事例の文脈がずれやすかった
  • CTA設置後のクリックからCV完了までを一貫して計測できていなかった

やったこと

  • ナレッジTOPの情報設計・導線再設計
  • カテゴリ・課題別の探索導線設計
  • 記事詳細の資料DL導線設計
  • 関連記事・関連事例の表示仕様整理
  • 問い合わせ・オフィスツアーCTAの設計
  • GA4・Microsoft Clarityによる改修前後の効果検証
  • Organic流入と全流入を分けたユーザー行動分析
  • 次回改善に必要なクリック・CV計測要件の整理

実現したこと

  • Organic流入のエンゲージメント率を58.3%から60.4%へ改善
  • OrganicのPV/セッションを1.24から1.32へ改善
  • ナレッジTOPのデッドクリック率を2.15%から0.76%へ低減
  • 「導線を追加する」だけでなく、実際のユーザー行動から有効性を検証できる改善サイクルを構築
  • 事例・資料送客については改善が確認できなかったため、CTA配置・文言・関連性を次の検証対象として特定

設計のポイント

検索流入ユーザーの目的を邪魔せず、次の行動をつくる

ナレッジコンテンツでは、すべてのユーザーをその場で問い合わせへ誘導すればよいわけではありません。
特にOrganic流入では、まず検索した疑問や課題を解決することが優先されます。
そこで記事本文の閲覧体験を保ちながら、事例・資料・問い合わせなど、ユーザーの検討段階に応じた選択肢を設ける方針で導線を整理しました。

よくなったこと

改修後、ナレッジ全体のセッション数やPVは減少しましたが、Organic流入に限定するとセッション減は4.6%にとどまり、PVは1.3%増加。エンゲージメント率は58.3%から60.4%、PV/セッションは1.24から1.32へ改善しました。
また、ナレッジTOPのデッドクリック率は2.15%から0.76%へ低下しており、クリック可能箇所の分かりやすさなど操作上の摩擦については改善が見られました。

一方、ナレッジから事例・資料ページへの送客は増加していませんでした。そのため「UIを改善した=CV導線も成功した」とは判断せず、Organicユーザーの本文閲覧体験は維持しつつ、CTAの配置・文言・記事との関連性を個別に検証する方針へ変更しています。
さらに、既存計測ではどのCTAがクリックされ、最終的なCVにつながったかを直接追跡できないことも判明したため、導線クリックからCV完了まで起点情報を保持できる計測基盤の要件整理につなげました。

補足

  • Organicエンゲージメント率:58.3% → 60.4%
  • Organic PV/セッション:1.24 → 1.32
  • Organic PV:1,797 → 1,821
  • ナレッジTOP デッドクリック率:2.15% → 0.76%
  • 一方、事例・資料ページへの送客改善は未確認
  • 改修前後54日間で比較

Mimu Fujiwara

フリーランスのテクニカルPM/Webディレクター。 Webサイトのリニューアルや改善の相談を受ける中で、「本当に解決したいこと」と「依頼内容」が少しずれている場面によく出会います。 依頼されたものをそのまま作る前に、目的や課題、運用状況を整理し、「何を作るべきか」から一緒に考える立場で関わっています。 WordPressやHubSpotなどのCMS案件を中心に、要件整理・情報設計・技術調整・運用改善までを横断して支援。公開して終わりではなく、その後も無理なく運用・改善できる状態をつくることを大切にしています。